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チャールズ・ローゼンはアメリカのピアニスト兼音楽学者。ピアノ音楽史のほぼ全てを網羅する非常に幅広いレパートリーを持っており、エリオット・カーター作品の初演者としても名高い。研究者としてはソナタ形式の歴史に関する大規模な著作『ソナタ諸形式』があります。

近年『ピアノ・ノート』や『音楽と感情』といった 著作が翻訳され、日本でも知名度が高まりつつありますが、残念ながら手に入るCD が非常に少ないのが現状です。

今回ご紹介するCD は、そのような中でも特に稀少なシューマンのクライスレリアーナと幻想曲が収録されたもの。しかもクライスレリアーナは録音の少ない初稿版が採用されています。決定稿と初稿版の間には微妙な差異しかないのですが、初稿版には起伏の大きな旋律や不思議なテクスチュア、曲間の継続性に魅力があります。

クライスレリアーナは作曲上あるべきはずの音が急に消えたり、意表を着くような和声進行がありますが、ローゼンの演奏からは、そのようなシューマンの独創性が聴こえてきます。(文責:大村新)